ベンニ
第1章

第1節

ベンニはそーっと階段を降りた。



彼女に見つからないように。


差し込む明かりが、細くなっていくのがわかった。



しまった、クソっ、、、



ベンニは二段跳びで階段をかけあがると、いそいでしかし細心の注意でドアを閉めた。



暗闇が広がり、ベンニの口元がほころんだ。



下まで降りて行くと、そこにはベンニが『ヴォルフィ』と呼ぶ小さな空間があった。



ベンニはいつものように地べたに座ると、ポケットの中からタバコの箱をとりだし、なれた手つきで一本取り出した。
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