ベンニ

第3節

窓のガラスに映る自分の髪がベンニは嫌でたまらなかった。


薄茶色の目の色と目鼻立ちこそ、父ダニそのものだったが、日によって目まぐるしく色合いが変わるダークブロンドの髪の色は、母レネの特徴を呈していた。



ベンニはラジカセの再生ボタンを押すと、音量を最大にした。




鳴り響く重低音のリフに身をゆだねながら、ベンニはウ゛ォルフィの指に挟まれているタバコをスッと取り、自分の分とともに二本とも口に挟んで、悪戯っぽい目をウ゛ォルフィに向けた。

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