ベンニ

第2節

もう夜中の1時だった。



家出?



レネはクリスの横顔を見ながらそう思った。




自分がレネに見つめられていることに気付いたクリスは、ベッドから半分だけ起き上がると心配そうな顔をして言った。



「どうかしたのか?」


「もう夜中の1時でしょ?ベンニがまだ帰って来ないの。」


「年頃だし、どこかで遊んでるんじゃないかな?」


「ええ。確かにその可能性もあるけど。でも…」


「でも何だい?」


「こんなに遅いのははじめてだから、不安で…。」
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