ベンニ

第2節

何だ?



ベンニは起き上がろうとした。どぎついピンクと青の大気がベンニを覆っていた。



吸い込まれる感覚と浮いていく感覚。これらが同時にベンニを襲った。



幾つもの声がベンニを通り過ぎて行く。早くこの状態から脱したかったがベンニにはその方法がわからなかった。



寝ているだけなのに。




気持ち良く寝ているはずが、いまや恐怖のどん底だった。
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