花日記
降ってきたせいか、女は痛そうに眉をひそめている。
「おい。」
俺が声をかけると、不思議そうにこっちを見てきた。
「お前、何者だ?」
俺は気にせず聞く。
「あ、えっと…。
私のことでしょうか…?」
「お前以外に誰がいる。」
「えっと…」
女は困ったようにおろおろとしている。
「鬼か?
それとも天狗の類か?」
俺がそういうと女は目をパチクリとして、少し間が生まれた。
そして
「天狗って!
失礼ね、私は立派な人間です!!」
と反論してきた。