私たち小学生。
七夕祭り
私、斉藤 桃花(さいとう ももか)は、只今イライラ中。

『そんでさぁ、結局、何時にどこ集合なの?』



教室に2つしかない扇風機は、涼しさを届けてくれることはなく在る意味がない。

窓側の席を勝手に移動させ、9人が集まっていると余計に暑苦しい。

下敷きをパタパタと扇ぐ手にも力が入る。



「もぅさぁ、5時に駄菓子屋で、いいだろ。」

「うん。いいと思うよ~。」

色黒のサッカー少年、千田 翔太(ちだ しょうた)は面倒くさそうな声を出す。

その声に、男のくせに小さく可愛らしい家崎 李緒(いえさき りお)が答えた。



7月も始まったばっかりの昼休み。

いつもは、走り回ってる時間だが、今日は近くの商店街で毎年開かれる七夕祭りについて、会議をしていた。

最初は、何時にどこ集合かを話していたがどんどん違う話になっていった。

暑さにやられ、静かにしていた私だったが、なかなか進まない本題にイライラしてさっき声を出した。

そして、その質問は案外あっさりと答えがかえってきた。



「男子も浴衣、着ろよ。 雰囲気が出ないじゃんかよっ!」

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