青騒-I SAY LOVE-
 

健太のとんだ突撃攻撃を受けたものの、どうにかこうにか和気藹々と昼食を済ませた俺等はファーストフード店を後にしてブラブラと複合商業施設内をうろついていた。

映画も観終わったし腹ごしらえも済んだ、さて何をしよう? 取り敢えず歩いて考えようか? そうしましょうの流れで行動が決まったもんだから、ほんと、今の現状はブラブラと彷徨ってるだけ。


目的なく歩いてるから、行く場所に困っている。


ホンットこれから何しようかな、野郎同士だと主にゲーム屋とか、CDショップとか、そういったところに赴いて話題づくりに精を出すんだけどな。

相手は女の子だ、こっちの趣向が合うかどうか…、うーん、困ったなぁ。これからどうしよう。



「ココロ、何処か行きたいところ…って、あれ?」



肩を並べて歩いていた筈の我が彼女がいない。

まさか歩くペースが速かったっ?!

うをおおいっ、彼女を置いてさっさと歩いてたら、俺、彼氏として減点が付くぞ!


俺は慌てて周囲を見回す。


賑わう人盛りの中、用意に俺はココロを見つけ出すことに成功した。彼女は靴屋のショーウィンドウ前で立ち止まっていたんだ。

ホッと胸を撫で下ろして、俺はココロに歩み寄る。


熱心に何かを見ているココロは値札と睨めっこ中か?

唸り声を上げて眉を寄せているんだけど。


後ろからひょっこりとココロの見ているものを拝見。


ココロは平べったい靴を見ていた。

サンダル、じゃないよな、それ。
爪先に花飾りがついたソレを見ては、物欲しそうに見てうんぬん唸っている。

  
「ココロ、それ欲しいのか?」

「え? あ、ケイさん。すみません。ついつい可愛いパンプスがあったものだから。でもお値段が高くて…、手が出せそうにありません」

「パンプス? ああ、その平べったい靴のことか?」

「ふふっ、高さがあるこっちのもパンプスですよ、ケイさん」

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