【完】天体観測 ~キミと見た星~


―翔太side―…


「お前毎日家行って大丈夫なのかよ?」

昼休み。売店で買ったパンを食べながら、弘樹と話していると、急にそんなことを言われた。
きっと、鈴原の事だろうと俺は悟った。
それに、“家”じゃなくて、“病院”なんだけどな。

「大丈夫ってどっちの大丈夫?」

「お前だよ。勉強だって出来ないだろ?」

「授業ちゃんと受けてるし大丈夫だって」

「でもさ、疲れないのか?」

「別に?」

「…ふーん」

それだけ話すと、またパンを食べ始める。

「………」

「………」

「…認めれば?」

「うるせぇ」

弘樹がボソッと言った言葉にも俺は即答で、答える。
弘樹が言いたい“認めれば?”はどうせ、鈴原の事を好きかどうかだろ。

「なんで認めないんだよ!見てるコッチがイライラするわ!」

立ち上がって、俺を見下す弘樹。
お前に関係ねぇし。

「なんか理由があんのか?あるなら言えよ」

「…きっともし、俺が鈴原を好きでも、鈴原は俺の事好きにならねぇよ」

「…それが理由か?」

「たぶん」

「うっわぁああぁぁ!!そんな理由かよ!しょーもなっ!」

「黙れ」

今日の弘樹は一段とうざい。
俺の事に首つっこみすぎ。
いや…、俺と鈴原の事かな?

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