届かない、先生《短編》

こいぬ

オリエンテーション当日。

色々な人の講演を聞きながら、列の隙間から見える秀くんを見ていた。

かっこいいなあ‥と。

そしてカレー作り。
上手くいくはずもなくて、私達のカレーは野菜がさくさくだった。

だけど捨てるのももったいなくて、男子が片付けをしている間、ずっと私は亜希と喋りながら食べていた。
そこに森山先生は来た。

「片付けせんで良いのかあ」
そう言いながら私の横に座った。
「男子がやっとる」
亜希が答えたら森山先生は笑って「そうか」と言った。

「お前細いのによく食うなあ」
森山先生がずっと食べ続ける私を見て言った。
私は笑った。
森山先生も笑顔だったから。

だけど横にある笑顔は、とても近かった。
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