心友。~友達の彼氏をスキになった。~
(う、嘘やろ…?)
藍が横を見上げると、そこにはもう悟の姿はなかった。
(え、悟?)
振り返ると彼はさっさとメインストリートへ向かって戻り始めている。
「ちょっ、ちょっと待ってよ」
思わず追いかけて行って腕を掴むと、悟は初めて藍に気付いたかのような顔をした。
「悪い、先帰る」
藍から目を逸らしそう言った悟の顔は、今まで見たことのないくらい暗く冷たい表情をしていた。