心友。~友達の彼氏をスキになった。~
「何か…あったんかな?」
「たぶんな。いつもの藍とは全然違うから」
その言葉にユキとマリアは顔を見合わせる。
「藍は泣いてた?」
「ううん、もう泣きやんだけど、あの子あの夏の頃みたいに真っ暗な顔してたわ」
レイコさんは難しい顔をして言った。
「でもあのときの藍は、あんたらにも私にもいろいろと打ち明けてくれたやろ? 今は一人で抱え込んでいて、それが心配やわ…」
「ウチ悟に訊いてみる。何かわかるかも知れへんし」
マリアはそう言うと、ポケットから携帯電話を取り出した。