心友。~友達の彼氏をスキになった。~

あの日別れて以来、マリア達は悟とほとんど絡んでいなかった。


たまに食堂などで会っても、言葉を交わせるような距離には、彼は決して入って来ない。


いつか申し渡した「藍の視界に入るな」という指令を、未だ忠実に守っているようだ。




ただ遠くから見掛ける悟の目が、いつも熱く藍を追っていることに、マリアもユキも気付いてはいた。


「知ってる? 悟な、藍が笑うと、心に灯が灯った様な顔すんねんで」


ユキが笑う。


「あんな顔されると、さすがに切ななるし」


マリアも苦笑した。



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