籠のなかの花嫁

{届く想い}

ガチャッ


急いで玄関のドアを開けた。



「晴太さん!?」



廊下を走り、リビングを開けた瞬間



「わっ!?」


「ぉわっ!!」



晴太が目の前にいた。



しばらく二人とも黙って立っていたが、晴太が手を差し出してきた。




これは、何?




疑問に思ったが、自分の手を差し出してきた手に乗せると、晴太は後ろを向き、リビングのソファーのところまで美羽を引っ張っていった。




『こっちに来て、話をしよう』

そう言えば済むことだが、照れ臭いのか、それとも昨日の今日で上手く話せないのか、とにかく不器用な晴太だった。





「昨日は悪かった」



座った途端、晴太がすぐに口を開いた。



「・・・・・私が、目障りに」


「そんなこと思ったことない!!」



美羽の言葉を遮る。



「じゃぁどうして、昨日・・・」



責める口調ではなく、いつになく穏やかな態度の美羽に晴太も少し気持ちが落ち着いたようで、ゆっくり話しだした。






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