お兄ちゃんです。

夏の大会。


─────────

「いってきまーす」

「いってらっしゃ〜い」

振りかえると、あさひくんがひらひらと手を振っていた。
あたしも小さく手を振って、家を出た。


今日はついに大会の日。
瀬田くんたち野球部の大切な大会だ。

一応、みんなを誘ったけど
聖子ちゃんはピアノのレッスンで
幸子は大事なイベント??があるらしく、
結局あたしとみちだけで行くことになった。


瀬田くんの姿ふと頭を過る。

瀬田くんはあたしを見てくれていた。
でもあたしは瀬田くんにあさひくんを重ねてた。
無意識だったとはいえ、そんなの失礼すぎる。
あたしがどんな気持ちであろうと、きちんと瀬田くんを受け止めなきゃいけない。

受け入れることは出来ないかもしれない。
それでも、あたしもちゃんと瀬田くんを真っ直ぐに見たい。


だから今日は瀬田くんの頑張りをきちんと見よう。
精一杯応援しよう。
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