甘味な罠に捕らわれて【BL】

「…なぁ」
「何」
「修二って、綺麗な顔してるよな…」
「…は?」

コイツは自分の顔を鏡で見たことがないのだろうか。
こんなにもこんなにも整った顔をしているくせに、俺なんかを褒めるか普通。

「ばっかじゃねーの」
「えー?なんでさ。俺は好きだけどなぁ」
「…お前に好かれてもしょうがないだろ」
「そりゃそうだけど…ほら、髪とかすっげーきれー」

す、と伸ばされた圭祐の手が俺の髪に触れる。自分が金髪だから黒髪が好き、とかあるんだろうか。

「やめろ、気色悪い」
「いーだろー。いい匂いすんな。女の子みてぇ…」

ぞくっとした。あんまり優しく笑うから。

俺の髪が揺れるたび圭祐の温度を感じた。


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