君を想うとⅢ~True love~


すごいなぁ、田中さん。
あの一言は私だけじゃなく、しゅーちゃんの心までをも揺さぶってるよ。





田中さんの言葉の影響力に感心しながら




「幸せは…自分の心が決めるモノだから…。しゅーちゃんが私たちのコトで悩む必要なんて何一つないんだよ。」





そう彼に告げると、しゅーちゃんは今にも泣きそうな顔をしながら私の手をギュッと握りしめる。






「しゅーちゃんは自分の幸せの在り方だけを考えてれば…それでいいの。しゅーちゃんが幸せにならなきゃ、誰も幸せにはできないよ…??」






“なーんて。
コレは田中さんの言葉の受け売りなんだけどね。”







っていう真実は…
私の口から発されるコトはなく。
泡のように空へと消えていってしまった。








何故かって…??







「伊織…、伊織…っ!!」







私の腕を強引に引き寄せて。
しゅーちゃんが私の体を強く強く抱きしめてしまったから。






私は何も言うことができずに…






気がつけば、しゅーちゃんの腕の中にすっぽりと覆われている形になってしまっていたのだ。





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