君を想うとⅢ~True love~


「なんか…俺、カッコ悪ぃ…。」



私の体を抱きしめたまま、しゅーちゃんはバツが悪そうに呟く。






「カッコ悪くなんてないよ。」






今さら何気にしてるんだか。

そんな些細なコトを気にしてるしゅーちゃんがかわいくてフフッと笑うと




「ウソだ。
伊織は絶対、俺をバカにしてる。」




しゅーちゃんはブスッとした声でだだっ子のように、そう呟く。









「してないよ。」


「い~や、してる。」


「ホントにしてないよ?」


「い~や。してるね、絶対バカにしてるね。」


「もう~!!だからバカになんてしてないってば!!」





いつまでもしつこいやり取りを続けるしゅーちゃんに半ば疲れて。



呆れ半分
怒り半分に彼の背中をドンっと叩くと






「だって…。
部長ならこんなカッコ悪ィことしねぇのに…とか絶対思ってるだろ。」






しゅーちゃんは疲れきった声で私にそう呟いた。



< 108 / 569 >

この作品をシェア

pagetop