君を想うとⅢ~True love~


変わらない日常。
変わらない毎日。




そんな中で劇的な変化があるとしたら…
それは桐谷慎の態度。



「悪い、藤堂。コレ目を通して手直ししといてくれないか??」


「う~ん、了解しました。
コレッてこの前言ってたCMの案件ですよね…。すぐに資料集めて手直ししときます。」

「悪いな。じゃあ頼む。」

「…ウッス!!」






桐谷慎は…
あの日から私に話しかけもしないし、ちょっかいも出さないし…目すら合わせてもくれなくなった。




たまに用件があって桐谷慎の所にハンコを貰いに行っても



「高宮、ごくろうさま♪」



って…あの仮面の笑顔で笑うだけ。






いつの間にか桐谷慎は私との間に大きな大きな壁を作ってしまっていて。



彼の本当の笑顔も
柔らかで優しい、彼の本当の部分も




いつの間にか私には一切見せなくなってしまっていた。



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