君を想うとⅢ~True love~




ポタ

ポタリ……





マグカップを持つ手にこぼれる、大粒の涙。





「うっ…、ひっ……。」







私は…、私は…っ。
しゅーちゃんに相応しい女の子なんかじゃない!!!




ただ嫌われないようにイイコの仮面をかぶっているだけ。
本音をさらけ出すのが怖かっただけ。





本当の私は、
怖がりで、打算的な、つまらない、ズルい女なんだもん―――……。









窓の外から聞こえる喧騒と、眩しい光。
手の中にある、少し冷めたロシアンティ。






私はマグカップの中にあるロシアンティの残りを涙と一緒に流し込むと、


『今日は逃げない』


と、覚悟を決めた。








今日だけは、ありのままの自分でいよう。
どんなに怖くっても、本当の自分をしゅーちゃんにさらけ出そう。






自分の言葉で

自分らしく

自分の決意を伝えよう。








つまらない女の子って思われても、軽蔑されても構わない。





それが…
優しくて、強くて、少し意地っ張りな親友と、大好きなしゅーちゃんに対する精一杯の誠意のように、私は思えた。






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