君を想うとⅢ~True love~



「僕がお見舞いに行ってくるって言ったら“高宮さんのコト、よろしくお願いします!!”って凄い勢いで頼まれちゃったよ。」





田中さんはそう言って呆れたように笑う。






「僕…、藤堂くんとは仲良くさせてもらってたからね。彼が1か月後にはもう日本からいなくなるんだと想うと寂しいよ…。」






あ……。









そうだ…

田中さんとしゅーちゃんは一回り近く年が違うけど、仲良しだった。




田中さんのホワンとした優しい雰囲気がしゅーちゃんは好きだったんだろうけど…


田中さんも、みんなに平等で明るく優しいしゅーちゃんに魅せられていたんだろうな、きっと。








「寂しくなるね。」


「…はい。」








穏やかな光の入る、温かい医務室で。
私は田中さんの問いかけに素直に答えた。





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