君を想うとⅢ~True love~


「そんなの…変だよ。おかしいよ!!
何で…、何でそんなこと……!!!!」






汚い手段を使って、しゅーちゃんを繋ぎ止めようとした水島さんが腹立たしくて、彼女を思いっきりなじってやろうと語気を荒げた瞬間。









「伊織、言いたいコトはわかるよ。」








しゅーちゃんは静かな声で私の言葉を静止させた。








「伊織。
亜美のやったコトは決して許されることじゃない。だけど…そこまでアイツを追いつめたのは、この俺なんだ。」




「しゅーちゃん……。」



「亜美がどんなに時間をかけても、どんなに俺の側にいても…俺の心の中から伊織がいなくなることは一度だってなかった。
離れていても、会えなくても、俺はお前を想い出にすることができなかったよ。」






そう言って
しゅーちゃんは自分の手のひらをギュッと握りしめた。




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