こねたぼっくす



―――――






そして、その日はやってきた。

斗真と美華ちゃんの会話を聞いた俺は、教室を出ていった斗真を追い掛けた。


「斗真!絶対呼び出しだって!!どうすんだよ!?」

「落ち着けって…」

「落ち着けるわけないだろ!?」


もし、美華ちゃんに何かあったら…。


妙に冷静な斗真に宥められて、隠れる。

そんなところに、斗真は変わったんだと感じた。

昔だったら宥めるなんてしないで殴って黙らせるとかだったし。


斗真と隠れているとしばらくして美華ちゃんが出てきた。

足音を消してあとを追う斗真。


「斗真…?」

「俺が1人行かせるわけねぇだろ」

「…だよなっ」


やっぱり斗真は、美華ちゃんが大切なんだ。

……なんて、そんな考えも鬼畜発言で萎んだ。

美華ちゃんがその辺の奴に魅力で負けるはずないってはわかるよ。

けど、多勢に無勢じゃさすがに…。


「何とか言えよ!」


その台詞のあと、事態は思わぬ方向に転がった。


「斗真は物じゃないから誰の物でもありません。もし物だとしてもそれは自分自身の物だし、あたしやましてあなたたちの物じゃありません」


臆することなくそう言い放った美華ちゃん。

誰もが呆然とする中で、笑ってるのは斗真ただ1人。

美華ちゃん…案外はっきり、言うんだね…。


2人の邪魔にならない内に、俺は帰った。

ほら、俺の入る隙間なんて、どこにもない。






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