運命の初恋愛
「大丈夫?」


その声に顔を上げると。


同年代くらいの、ショートカットの女のコが立っていた。



「あ……大丈夫です」

そう答える。



「席はどこ?」

女のコは私を席まで案内してくれた。



「ありがとう――」

「いいって。じゃ、友達待ってるから」


そのまま、私の席より前の方へ走って行った。



可愛いし、いい人だな……。


この時、確かにそう思ったんだけど――――。




しばらくして、開演のアナウンスが流れた。


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