運命の初恋愛
#27 【最後の賭け】

~ジナ編[完]~

コンコン。


『カン・ジュヨン様』

と書かれた、楽屋のドアをノックする。



「(どうぞ)」

ジュヨンの声を聞いて、中に入った。



今日行われる、日本でのジュヨンのコンサート(最終日)に駆けつけた――私、ユ・ジナ。



「(ジナ、どうしたっ!?)」

楽譜のチェックをしていたジュヨンが、心配そうに駆け寄る。


ぽろぽろっ。
頬を伝う涙――。

ジュヨンの顔を見た途端、溢れていた――。



「(ジナ?)」


私の顔を覗き込むジュヨン。




「(今日のコンサート……お姉ちゃんは来るの?)」



泣きながら聞く。




「(……いや、来ないよ)」




「(……え?)」


返ってきた答えは、期待を裏切るものだった。





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