運命の初恋愛
#11 【言葉の壁】
あーあ。
これって、失恋……。

って、言うのかな――?


ジュヨンさんに知らんぷりされて。

落ち込んだまま、とぼとぼと中庭に出た。


そして、あの白いベンチに腰掛ける。


「カン……ジュヨン」


空を仰いで、その名前をつぶやいた。


ちょうど、その時だった。


「ハイ」

誰かの声が聞こえた。



「?」

振り返って、


「!」

びっくり。



「アンニョンハセヨ」
(こんにちは)


私に挨拶をする、ジュヨンさんが、そこにいたから。


「アンニョン……ハセヨ」

とっさに返す。



「アノ……。――……――――、――……――」



「……え?」


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