星にキス。




えっ―――。

お母さんのその言葉を聞いて、あたしの心臓はドクンッと大きく跳ねた。


「――― ッッ!!」


「ナツの進路も決まったから、お母さんが翔ちゃんのお母さんに連絡してみたの」


嘘、嘘だ!

数日前にかかってきた、おばさんからの電話では…… おばさんはあたしに何も言っていなかった。


「ナツも、翔ちゃんのお母さんに会いたいでしょ?」


「うん」


会いたい。 会いたい、けど……。

あたしにはもう一つ、気になることがある。


「翔ちゃんは?」


翔ちゃんはいるのだろうか?

冬休みになっているのか。


おばさんに会いたい――― って気持ちもある。

でも、その気持ちと同じくらい“翔ちゃんに会いたい―――” そう思うのだ。


「翔ちゃんがいるかは、わからない」


「だったら、翔ちゃんは進路は決まっているの?」




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