涙飴
こうやって、3人で笑い合うのは、いつぶりだろうか。

こんな日は、もう二度と来ないのだと思っていたのに、今、あたし達はそうしている。
だけどその間には、沢山の時間が流れていて、沢山の感情が入り交じっている。



『皆同じ』
美津菜の言った事は、当たっていると思った。
あたしも美津菜も、その他華耶と関わって来た人達も、皆華耶の事を軽蔑した目で見ていた。

だけど、その核心にあるのは、誰もが持っている、人間なら当たり前の感情。

あたしも美津菜も、その他華耶と関わって来た人達も、皆持っている、『愛されたい』という欲求。

孤独を嫌う心。


華耶は、それが人より強かっただけなのだと思う。


そして焦りから、間違えた考えが生まれてしまったのだと思う。



華耶の話が何処まで本心なのかは分からないけれど、あたしは華耶を信じたいと思った。

それが何故かはあたし自身にも良く分からない。
ただ、華耶の瞳を見て、信じたいと思ったのだ。



昼休みの終わりを告げるチャイムと共に、あたし達は隣の教室へと戻る。
教室の風景は何も変わっていない筈なのに、あたしの目には何かがガラリと変わった様に見えた。
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