俺はお前だけの王子さま
渡瀬 愛子・side

お母さん

晩ごはんを食べ終え食器を洗っていると


いつもより少し早くお母さんが帰ってきた。


「ふぅ、ただいま~」


「お帰りなさいっ」


雨で少し濡れているお母さんにタオルを差し出す。


お母さんはタオルを受け取りながら、ありがとうと笑顔を見せた。








今日は肉じゃが。


「美味しかったわぁ。ご馳走さま」


お箸を置いてお母さんが手を合わせる。


私はお風呂上がりで
タオルで頭を拭いていた。


「愛子、ちょっと良い?」


ちゃぶ台の前に座るお母さんが私を見た。


「ん?」


お母さんに呼ばれて
私はお母さんの前に座る。


「今日、仕事場に愛子と同じ学校の男の子が来てね…」


「え?」


私は少し目を見開いてお母さんを見た。


お母さんは優しいけれど真剣な目をしていた。


そして―…


今日の出来事を話してくれた。








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