俺はお前だけの王子さま
脱衣場に行くと

ジンギスカンの時に
王子くんに冷たくされていた
女の子達がいた。


私たちを見付けると


「最近調子にのってるよねぇ」


「“それはないと思う”って、お前が空気読んで言えっての」


「きゃはは、あれはウケた」


わざと大きな声で笑いだす
その子たち。



私は少し離れた場所で
無言で浴衣を着た。



出来れば関わりたくない…


加奈子が隣で


《愛子は間違えてなかったよ》


と言ってくれた。



髪を乾かす時間すら惜しくて
濡れた髪のまま


そそくさとその場を
去ろうとした時だった。



「ねぇ、また勘違いしてんの?」


その子達の1人が
私と加奈子の前に立ちはだかった。


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