俺はお前だけの王子さま
セブンスターの丘まで走ると
昼の休憩にした。


爽やかな富良野の風が
俺たちを包む。


配布された弁当を食べながら
ヒロキが渡瀬に笑顔を見せた。


「ねぇ、今晩こそ部屋に行って良い?」


「…え?」


渡瀬のおにぎりを持つ手が一瞬止まる。


ヒロキは警戒心を解くように
穏やかな笑顔を見せた。


「4人でトランプとかしようよ」


「でも…部屋の往き来は規則違反だよ」


「バレなきゃ平気だよ。せっかくの修学旅行じゃん、楽しもうよ?」


「う~ん…」


渡瀬は困った顔で夏木を見た。


夏木は少し頬を染めながら
小さく肩をすぼめた。



「違反だけど…私はそうゆうの実はちょっと憧れてたりする」


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