俺はお前だけの王子さま

拒否権は無し

俺たちの真ん中にはポッキーと順番に出されていくトランプの山。


第1回めのゲームはもう終盤だった。




パラッ


ヒロキは手持ちカードを出しきると無邪気な笑顔を見せた。


「やりぃ、いち抜け。俺大富豪♪」


「え~凄い!早いね」


一番に抜けたヒロキに
感嘆の声をあげる渡瀬と夏木。


「偶然だよ偶然」


照れたように頭をかくヒロキを俺は少し呆れて見る。


なんつー白々しい嘘…。



俺は手持ちの残りカードに目を落とした。


ほぼ間違いなく、次は俺が抜ける。


大富豪ってゲームは…


ある種のギャンブルみたいなもんだ。



最初に配られるカードの内容の良し悪しで勝敗が左右するのはもちろんだけど…



勝つか負けるかに重要なのは

賭けなれてるかどうか。



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