俺はお前だけの王子さま
修学旅行、最終日は
小樽で班ごとに自由行動だった。


同じ班だけど

朝から水梨くんを避け続けている私。



「私は本気だと思うな…。
ヒロキ君て、なにげにいつも愛子見てるよ?」


「そんなぁ…」


「愛子、気付いてるのに気付いてないふりしてる?」


「………っ」



加奈子に図星をつかれて
言葉につまった。


くしゃ…と
パンフレットを握る。



水梨くんに限らず…


私は中学時代の徳井くんとのことで臆病になっていた。


思わせ振りな態度には
期待しない癖がついてしまってる。



たった一度の
失恋のトラウマで



逃げてる私…。



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