俺はお前だけの王子さま

「てか、下品な会話聞かせて
ゴメンね~」


頬を触りながら笑う水梨くんに
私は首を振る。



「俺、結構遊んできたからさ。まぁ仕方ないよね」


自分を卑下するように
軽く笑う水梨くん。


「そんな…」



水梨くんは
はぁ~とため息をついた。


「俺…今になってスゲー後悔。」


ぽつりとそう言うと水梨くんは
じっと私を見た。



「人生やり直して最初から愛子ちゃんだけ好きになりたい」



「え…」



「俺のこと、嫌いにならないで」



吸い込まれそうな
薄茶の瞳が小さく揺れた。


水梨くんの表情は
笑っているのに泣きそうで…


「じゃあまた連絡するね」


それだけ言って、
席をたち王子くんの元へ戻って行く水梨くんの背中をみながら


水梨くんの代わりに…



なんだか私が泣きそうになった…




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