俺はお前だけの王子さま

残された夏木と王子

―――…



「ほら、やるよ」


パラソルの日陰に座る夏木に
俺は買ってきたイチゴのかき氷を差しだす。


「わぁ、ありがと♪練乳だぁ」


肩にバスタオルをかけた夏木は俺からかき氷を受け取った。


それをストローですくって口に入れる。


「ん~美味しい♪王子くんのは?」


ストローを氷にさしながら俺を見る夏木。


その隣に
人ひとり分離れて俺は腰をおろした。


「俺は、いい」


後ろに手をついて

少し離れた場所の海で戯れている渡瀬とヒロキを目で追う。




< 241 / 558 >

この作品をシェア

pagetop