俺はお前だけの王子さま
最初の頃こそ、
俺やヒロキをみては頬を染めていた夏木だけど、

なんか今はフツ―だ。


俺に臆することなく
媚るわけでもなく、

マジで普通。


渡瀬の脇役ぐらいにしか思ってなかった夏木だけど

案外、良いやつだと思った。


明るく笑う夏木に、俺も少し
微笑んだ。



そこから何気なく恋バナが始まった。


主に話してんのは夏木だけど…


薄々は気付いていたが
どうやら夏木はヒロキが好きらしい。


「お前も…なんつか複雑な心境だな」


遠くの渡瀬とヒロキを眺めながら自然とそう言う俺を


夏木は少し覗き込むように見た。


「お前もって、王子くんも?」



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