俺はお前だけの王子さま

王子さま登場

そこまで言うと

水梨くんは私を通り越して何かを探すように遠くを見た。



え?

な…なに??


私も振り返って水梨くんの視線の先を見ようとすると


「ちょっとごめんね」

という水梨くんの声と共に


グイッ

「きゃ…?!」


私は肩を優しく押されて
後ろに倒された。


反転する世界に
思わず目を閉じた私。


え…?

え??


恐る恐る目を開けると

水梨くんの顔の向こうに広い空が見えた。


砂浜に押し倒された状態で
水梨くんは私の上に馬乗りになっていた。


「え?!ちょ…?」


いきなりの行動にパニックになった私に


「もうちょい時間あるから、遊ぼっか。」


「…え…」


「俺、ずっと我慢してたんだ」


そう言うと
水梨くんは私のパーカーのファスナーに手をかけた。



ジ――…

ゆっくり下ろされるファスナー


な…に…?


恐くて体が硬直した。


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