俺はお前だけの王子さま
「渡瀬…」


俺はゆっくり渡瀬に顔を近付けた。





その瞬間――

ガチャッと玄関が開かれ中から光が溢れ出た。


同時に中から顔を出した渡瀬弟。


「姉ちゃ~ん帰ったのぉ?お腹す…」


そこまで言った渡瀬弟は
光に照らされた俺と渡瀬を見て固まった。


「ゅゆっ…勇気…」


キス寸前の渡瀬は、爆発寸前みたいな照れ方をしてる。


「あ…ごめ…え?…あれ?」


渡瀬弟も同じくらいパニクる。


「もうっ…晩ごはんカ…カレー作ってあるって、あ…朝言ったじゃんっ」

「え?あれ?あ…」


「と…とにかくっ…見ないで!」


「あ!そうか!ご…ごめん!」


バタンと勢いよく閉められた玄関と共に


俺と渡瀬はまた暗闇に包まれた。


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