俺はお前だけの王子さま

「あ、そっか…」


呆れ顔でツッコむ俺に
顔を赤くする渡瀬。


「まぁ…別にいいんだけど」



そんな俺たちを見て
微笑む山ちゃん。


「家政婦の私にも気を回して頂いて、渡瀬さまはお優しい方なんですね。」


「そんな…それに、様なんて
やめてください」


山ちゃんの態度に恐縮したように渡瀬は両手をふる。



だから…


山ちゃんは家政婦なんだから、こういう態度は当然だし…


むしろ、それが仕事でもあんだけど…


そう思いつつも俺が渡瀬を見ると、渡瀬は本気で困った顔をしている。


俺は小さく息をはいた


「山ちゃん…ここではいつもの感じでいいから」


俺は戸惑う渡瀬を助けてやることにした。


そんな俺たちの言葉に山ちゃんは少し困ったように笑顔をみせた。


「わかりました。」


山ちゃんの言葉に、安堵の笑みをみせた渡瀬。


しかし次の山ちゃんの言葉で
渡瀬はまた赤く固まってしまった。