俺はお前だけの王子さま
ヒロキの番号にかけると甘いメロディーが流れた。


男のくせにいちいち待ち歌を設定してるヒロキ。


設定する意味が分からない。


ちなみに、つい最近までは失恋ソングが待ち歌だった。


俺への当て付けかと思っていたが…いつの間にか変えたらしい。


ピッ

《…はるまぁ~…》


着信がつながったと同時に気弱な声を出すヒロキ。


めんどくさいと思っていた電話だが

ヒロキの予想外の声色にマジでなんかあったのかと多少の心配心が芽生えた。


「…あぁ?どした?」


《いやぁ。大した事じゃないんだけどさぁ…》


「………?」


《いや、あのさ…》


「あ?」


《引くかもしんねぇんだけど》


「あぁ…?」


やたら焦らすヒロキに少しイライラし出す俺。


《俺さぁ……》


「…………」


《…………はぁ…》


ここにきてため息。


「…電話切るぞ」


《え?!マジで?時間ない?》


急に慌てるヒロキ。

マジでアホだ。


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