俺はお前だけの王子さま
俺を見るなり母親は腰を上げて寄ってきた。


「春馬さん、元気にしてたの?昨日返事が来ないから…あら、また背が伸びたかしら?」


俺を見上げながら嬉しそうに
微笑む母親。


母親は会うたびに
俺の背が伸びたかしらと言う。


口癖なのか天然なのか


いくら成長期とはいえ、俺、そんなに伸びねぇよ…


「久しぶりだな。何か心境に変化があったのか?」


バサッと新聞をたたみながら
親父が言った。


親父の眼鏡の奥の目は俺をとらえると

そのまま観察するように優しく細められた。


親父の洞察力はいつも鋭い。


「……彼女が出来た。」


素直にそう言った俺に、親父は笑った。


「ははは、そうか良かったな」


そしてまた紅茶に口をつけて
新聞を開いた親父。


「父さんからもお前にプレゼントがあるよ。」


「…なに?」


「まぁとりあえず朝食を食べなさい。」


「………」


俺はテーブルに並べられた朝食を食べ始めた。


母親はそんな俺の向かいに座ると嬉しそうに俺を眺めていた。



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