俺はお前だけの王子さま
そんな私に徳井くんはクスッと笑うと自分の首筋を指差した。


「渡瀬のここ。たまに付いてたよ」


「え??」


いまだに首をかしげる私に徳井くんは少し腰を曲げて私に顔を近付けると、耳元で囁いた。


「キスマーク。」


「っ………?!」


え?

キス…マーク???

うそ…?!


徳井くんはゆっくり離れると、赤い顔の私を見ていたずらっ子のように笑った。


「毎回、絶対俺への当てつけだって思ってた」


「うううそ…ほ…本当に付いてた?」


徳井くんは面白そうに笑う。


「本当だよ。」


「~~~~っ!!」


私は穴が無くても隠れたい気持ちで両手で顔を覆った。


は…恥ずかしすぎるよぉ…


「くっく…」


徳井くんはそんな私に満足そうに笑うと、顔を覆ったままの私の頭をぽんと叩いた。


「応援してるから。がんばれよ」


優しい徳井の声に私が顔をあげると、


徳井くんはいつもの爽やかな笑顔で笑ってから、友達の所へ帰って行った。


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