俺はお前だけの王子さま
「愛子~…どうしよう」


2週間ぶりに会った加奈子が開口一番に情けない声でそう言った。


加奈子は現在、大学4回生の
最後の冬休みを満喫中。


私は社会人4年生として市内の中小企業で営業事務をしながら働いていた。




卒業して早4年――…


月日は瞬く間に流れている。



「え?どうしたの?なにかトラブル?」


私は鞄を背中に置きながら向かいに座る加奈子を見つめた。


私の帰宅時間に合わせて待ち合わせしたドーナツ店。


待ち合わせがドーナツ店なのは高校生の頃から変わらない。


だけど今の私はスーツをきていて

加奈子は昔に比べ髪がうんと伸びて少し大人びた。


確実に月日は流れているんだ。


そして加奈子は最近特に綺麗になったと思う。


「トラブルじゃないんだけど…」


加奈子はダイエット中らしく、ドーナツは食べずに紅茶を飲んでいる。


そんな加奈子に


「もしかして…マリッジブル―?」


私は言った。


加奈子は少し遠慮がちに小さく頷いた。


加奈子は大学卒業と合わせて、結婚する。


つまり、あと約3ヶ月後。


相手はもちろん――…


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