キミといたくて ~YUI~

「じゃあ、行ってくる」

サイン帳とボールペンとカメラ。それをカバンから出したあたしは、肩を並べるふたりに笑った。

「頑張れ、結衣」

応援してくれる真由美。うんとうなずくあたしは、意を決し、校門辺りで写真を撮っている奈美たちのもとに行こうとする。

けれど、亜矢ちゃんに名前を呼ばれ、走りだすのをやめた。

「できるよ、仲直り」

そう言って、亜矢ちゃんは教えてくれたんだ。あたしたちから離れているとき、奈美に話しかけられたことがあったと。
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