キミといたくて ~YUI~

「……」

そっと真由美へと目を向ける。

彼女は席についたまま、出ていく彼女のことを静かに見ていた。いなくなってからも、ドアから目を離すこともなく。

なんだか近寄りづらくて、その休憩時間、あたしはひとりでトイレへ行き、真由美のそばには行かなかった。

それからも亜矢ちゃんは、休憩時間になると、どこかへ行ってしまう。2時間目の後も、3時間目の後も、この教室にはいなかった。そして……。

「一体、どこに行ってるんだろうね?」

2時間目の休憩時間から、あたしは真由美とふたりで過ごしている。

「多分、他のクラスの……友達のところじゃないかな」
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