あの子のために雪は降る
デパートの中を楽しそうに歩くすずめに付き合っていたら、いつの間にか昼になっていた。

このまま交番に行っても調書を取るのに時間がかかる。
その前に飯を食わせようと思った俺は、すずめに何が食べたいか聞いてみた。


「もう昼だが腹減らねえか?何か好きな物食わせてやるよ。何がいい?」


すずめは俺の人差し指を握って手をつないでいたが、だいぶ背の高い俺を見上げて即答した。


「ハンバーガー食べたい!」


「あーん?ハンバーガーだ?昨日食ったじゃねえか。」


「うんっ!あれおいしかった。」


…どうやら本気らしい。

俺はデパートを出て昨日寄ったマクドナルドへと向かった。

道中すずめはおとなしく歩いていたが、たまにヨロッとこけそうになった。
足が痛いのかと聞いてみたが、大丈夫だと言うので「もう少しで着くからな。」と、声をかけておいた。


そしてしばらくした後、マクドナルドに着いた俺は昨日と同じ物を注文した。
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