過去の秘箱


恐くて、恐くて…心臓がカチカチ、カチカチと時限爆弾になり、今にも爆発しそうな時間。


道は二つに分かれる。


何事もなく朝が来る時と、何事があり朝が来る時……。


どちらにしても、長い長い夜の始まりだった。


今夜はどっちなの?


暫くしたら……。


ビクッ……と沙織は身震いをした。


  すぅ~……。


うとうとしかけた時の事、襖のゆっくり開けられる音が……。


来た……今夜は、何事があり朝が来る日だった。


沙織は、必死で寝た振りを続けている。





< 11 / 221 >

この作品をシェア

pagetop