過去の秘箱


ままごとのお母さん役は駄々をこねました。


お父さん役は困りました。


だってまだ高校生の青いガキ……また大人に殴られるのは恐い、痛い事だし……それに、別にサリー一人だけに執着しなくても、この高校生は学校でもかなりモテていた、サッカーもありの勉強もありの、前途有望な少年だったから………。


「部屋に来てくれなくてもいいよ……外でも会えるじゃない?
ねっ、だから、お願いだから私から離れて行かないで…… 」


沙織は必死にすがった。


休憩2500円のラブホテル……古びた建物、ネオンの電球もあちこち消えている……そこは、狭くカビ臭い部屋だった。


二人は求め合った。



< 157 / 221 >

この作品をシェア

pagetop