過去の秘箱

介護リハビリセンター   ひまわり園


詩織に連れて来て貰った。


下田正男……殺してやりたいくらい憎んできた。


下田正男……何回殺しても足りないくらい恨んできた。


その男が車イス生活しているなんて……。


この今の思いをどう表現すれば……言葉が見つからない。


ひまわり園に着いた私は、ドキドキハラハラ……足がガクガク震えた。


玄関を上がった所に、ガラス張りになった大広間があった。


詩織がツカツかと歩いて行き、談話室と書かれたその大広間のドアを開け、中に入って行った。


私もおずおずと後ろに続いた。



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