過去の秘箱



「詩織…何とか二十歳になる前に間に合ったよ。これ………約束した振り袖だよ、ふわふわ綿菓子も忘れてないからね。
言っとくけど、お姉ちゃんのお古じゃないよ」


「お姉ちゃん……ありがと……」


詩織は私の胸で、涙を流した。


父親が違っても……私とあんたは死ぬまで姉妹だからね……。



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