過去の秘箱


お父さんはきっと後悔している……そう何度自分に言い聞かせてみても、それでもベッドに入るのが恐かった沙織は、深夜になっても机に向かっていた。


襖の向こうではテレビの音がする。


沙織はうとうとと、机に向かったまま眠ってしまった。


悪夢は……終わるどころか……今、始まったばかり……。


正男は、子供部屋の襖を静かに開けた。


沙織が座ったまま、机に顔を乗せ眠っている。


酒に酔った正男はフラフラの千鳥足……自分が料理した鯉……がそこにいる。


また味見したくなった……。


正男は、性欲と言う名の欲望に支配される。


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